キャンプ場をつくるにあたって、必要な予算はその規模やコンセプトによって大きく異なります。たとえば、芝生の広場だけを使ったシンプルなキャンプ場であれば、大掛かりな造成工事も不要なため、比較的少ない費用でスタートすることが可能です。実際、脱サラして個人でキャンプ場を立ち上げた方の中には、小型の重機を使い、自分の手で整地してオープンした例も少なくありません。
しかし、多くの人が快適に利用できる一般的な設備を備えたキャンプ場を目指す場合は、話が変わってきます。
コテージやバンガローの建設費用
キャンプ場にコテージやバンガローなどの宿泊施設を設ける場合、建設コストは無視できません。
例えば、シンプルな板張りの6畳程度のバンガローであっても、1棟あたりおおよそ500~1,000万円ほどの費用がかかります。
さらに、トイレやキッチン、シャワールームなどの設備が整ったコテージとなると、1棟あたり約2,000万円以上を見込んでおく必要があります。
キャンプ場で使用するコテージやバンガローは、建築基準法を遵守するのはもちろん、宿泊施設として、防煙・防火素材の使用や、現地の消防検査にも対応できる仕様である必要があります。
また、コテージの内装や、ちょうど品など、食器や家具なども大きなポイントです。必要最低限の設備で必要最低限の宿泊施設を作る場合か?リラックスしてゆったり過ごせる空間を作るなど、コンセプトによって、かかる予算も違い、当然1室1日の利用の価格も変化します。
トイレなどの水回り整備、上下水道は最大の要注意ポイント
キャンプ場づくりにおいて、最も重要なインフラの一つが上下水道の整備です。
これは単にトイレを設置するというレベルの話ではなく、キャンプ場に宿泊する最大利用人数に応じて浄化槽の設置容量が法律で定められているためです。
そのため、収容人数が多くなるほど浄化槽の規模が大きくなり、それに伴い設備費用も高額になります。
この上下水道の整備は、建物以上に費用がかかる場合もあり、予算を立てる際には特に注意が必要です。土地の形状にもよりますが、収容人数50人ほどのキャンプ場で、2000万円前後の予算が必要と思われます。
初期投資と収益性のバランスを考える
コテージやバンガローなどの建設には多くの初期投資が必要ですが、それだけに長期的な集客の柱となる可能性もあります。キャンプ場のシーズンを通じて安定的な収益を生むためには、こうした施設を計画的に導入し、清潔で快適な環境を維持することが重要です。
また、建物の配置や角度は利用者満足度に直結するため、設計段階で「宿泊者の視点」を持つことが重要です。可能であれば、キャンプ場開発の専門家やプロデューサーの意見を取り入れると、より計画がスムーズに進みます。