アウトドアプロデューサー
松山拓也
基本的な考え方
キャンプ場経営についての考え方をお話しします。基本的には一般的な会社経営と同じで、つまるところ「何に対してお金を使うか」そして「どうやって収入を得るか」というところに尽きると思います。
キャンプ場経営にかかるコスト
キャンプ場経営でお金を使うところは、大きく分けて2つあります。
多くの人たちがこれらをまるで無視して、「とにかく建てればお客が入るはず」という形で始めてしまいがちですが、ビジネスである以上、しっかり考えないとうまくいきません。これは大きなキャンプ場でも小さなキャンプ場でも同じです。
収支シミュレーションの重要性
キャンプ場にかかるコスト(用地取得、建設費用など)は、土地の状況や造成の必要性、各種制限などによって大きく変わるため一概には言えませんが、以下の要素を考慮したシミュレーションが必要です。
このシミュレーションを行うためには、特殊なノウハウが必要となってきます。「これくらい投資してこれくらい収入が入るだろうから、このキャンプ場事業を進めよう」という判断をするべきだと思っています。
立地条件の重要性
キャンプ場の成功には立地が大きく影響します
・近くに大都市があるかどうか
・その土地にどれくらいの人が来てくれるか
・アクセスの良さ
闇雲にキャンプ場を作れば人が来るというものではありません。
顧客満足度の重要性
大切なのは、顧客満足度が高くないとリピートが望めないということです。
キャンプ場は一回泊まってみれば、キャンパーには基本的にすぐ分かります。「ここはいいキャンプ場だからまた来よう」と。キャンパーは結構正直で、気に入ったキャンプ場があると年に何回も来てくれる方がいます。
顧客満足度を高める2つの要因
1. 基本的なサービス品質
・トイレなどの水回りがきれい
・サービスが丁寧
・不快な思いをさせない配慮
2. 期待値の実現
これは感覚的な話になりますが、そのキャンプ場に期待していたことが実現されたかどうかです。
例えば「星がきれいなキャンプ場」と謳って行ってみたら、本当に星がきれいだった。「すごい、また来よう」となるように、そのキャンプ場の売りに対してそれが実現できて「素晴らしい、だからまた行こう」という顧客満足度が高まり、リピートにつながるという形になります。
リピーターの重要性
実はこれが一番軽視できない要因で、キャンプ場の経営は、はっきり言ってしまうとリピーターがどれくらいいるかによって経営が大きく左右されます。
経験上、キャンプ場の経営は1年目は稼働率が大きく伸びないというのが私の判断です。しかし、いいキャンプ場には必ずリピーターがつきます。2年目、3年目と数字はどんどん安定していきます。
これを左右するのが顧客満足度であり、お客さんの望んでいるキャンプ場を実現できているかどうかというところが大切な要因になります。
成功のポイント
キャンプ場を新規で建設しようとしている、または既存のキャンプ場をリニューアルしようとしている場合は、以下を検討することが重要です:
1. その土地・エリアの特性を活かした売りの決定
2. どんなキャンプ場かを明確にアピールした集客戦略
3. 投資額と収入の計算による売上予測
4. シミュレーションに基づいた事業計画
これらを総合的に判断して、キャンプ場を再建したり新規に作ったりすることが、成功への非常に大切な要因だと思います。
専門家への相談
もちろん、キャンプをやったことがない人やキャンプ場を作ったことのない方が、これらすべてを考えたりまとめたりするのは難しいと思います。そのような場合は、専門家に相談することをお勧めします。