かつてのキャンプ場に多く見られたコテージやバンガローは、板敷きの簡素な内装に、寝るだけのスペースといった最低限の設備が中心でした。10人〜20人規模の集団宿泊にも対応するこれらの施設は、林間学校や宿泊訓練など、昭和時代のキャンプのニーズに応える形で設計されてきました。
しかし、現代のキャンプ利用者のスタイルは大きく様変わりしています。ファミリー層やカップル、友人同士の少人数グループが主流となり、求められるのは「快適さ」と「非日常体験」。そのため、広々とした室内空間や自然を感じられる窓のある設計、美しい景観を活かしたロケーションといった付加価値が求められています。
大人数向けから少人数・快適重視へ
従来型の大部屋中心のコテージやバンガローは、現代のニーズからはズレつつあります。密集して建てられた団地のような配置よりも、ゆとりを持って設計された個別の建物に人気が集まっています。各棟のプライバシーを確保しつつ、自然と一体になれるような空間づくりが鍵となります。
また、かつて建てられた古い施設を安価で提供しても、収益につながらないケースが多く見られます。一方で、最新のデザインや設備を備えた高品質なコテージは、繁忙期だけでなく平日でも高い稼働率を誇るなど、顧客満足度と収益性の両立に成功しています。
とくに「コテージに車を横づけできるかどうか?」は、設計が現代のニーズに合致しているかを判断する一つの目安です。旧来型の施設では、駐車場が離れているケースが多く、不便さを感じさせる要因となります。
長く愛されるキャンプ場を目指して
土地の特性を活かしながら、時代の変化に柔軟に対応する施設づくりが、キャンプ場の未来を左右します。快適さと魅力を兼ね備えたコテージやバンガローは、利用者にとっての特別な体験となり、運営者にとっても長く愛される資産となるのです。