2025年06月01日
市・3セクキャンプ場を民間委託・譲渡したい

 

~行政の持つキャンプ場~

行政・地方自治体がキャンプ場をもち、運営しているというケースは意外と多いものです。1970年代後半から、1980年代の団塊の世代の子育て真っ最中の時代に作られた小規模な「キャンプ場」もありますし、その他の公的な施設や土地、例えて言うと、自然公園の中や、○○県民の森や、林間学校用の施設、青少年ふれあいの森等の自然を生かした環境施設に併設されたキャンプ場や自然公園、また山あいの村ではダムの建設後の広場、緑地公園などもキャンプ場として活用されている場合があります。

また、2015年以降には、僻地や過疎地域で廃校になった「学校跡地」などもキャンプ場に利活用されている、もしくはしようと検討しているケースも少なくありません。

 

ここでは大きく分けて以下のケースに分類することができます。

A 1970年代以降に作られた行政が運営するキャンプ場
B その他施設・公園(○○自然公園・青少年○○等)に併設されたキャンプ場。
C 学校跡地を利用したキャンプ場
D その他

 

 

 

~行政のキャンプ場が抱える問題とは~

これらA~Dのキャンプ場の多くは、大なり小なりの問題を抱えている場合が多いのです。

その問題とは、「採算性が悪く通年を通して運営予算が必要」であったり、「人件費が多く慢性的な赤字」、そしてABに多いのが「施設の老朽化の問題」です。

これは、建設時期の多くは昭和・平成時代であり老朽化してきている為です。

また、キャンプ場に対するニーズが、その時代と2020年以降の一般の方のキャンプに対する認識、ニーズとかけ離れて来ており、何らかの工夫が必要となってきています。それは例えば利用ルールの問題であったり、利用人数、規制している事、営業時間など様々です。また、利用者に適用するルールだけでなく、行政側の運営する経営的な運営ルールによる場合もあります。そのどちらも、現代的なキャンプルールに則って改善していく必要があります。

 

多くの市営(公営)キャンプ場では、古い運用ルールや、管理体制、施設の老朽化などの問題を抱えている場合が多い。

 

 

 

~経営への業務委託・民間委託・譲渡について~

その改善や、刷新の段階で、検討にあがる事が多いのが民間(第三セクター含む)への委託(業務委託)・譲渡などです。一件、業務や運営責任も含め民間に託し、採算性を得る為に良い方法に思え、実際にその手法をとるキャンプ場も少なくありません。しかし、これらの場合でも課題が解決されて向上したキャンプ場は一握りです。その理由はなんでしょうか?その理由と思われることをいくつか記載します。

・イメージやテーマが時代に即していない
・予約システムが複雑で前時代的
・料金体系の硬直
・施設の老朽化
・時代の変化に追いついていないルール
・運用体制の硬直化
・採算性の悪い運営方法
・その他

などがあります。

では、業務委託・民間委託・譲渡を考えた場合、各段階・各ケースで念頭に置くべき事柄を見ていきましょう。

 

 

~委託・譲渡前に気をつけたいこと~

キャンプ場を委託するケースは様々です、キャンプ場の施設はそのままとして、運営のみを委託するケース。半官半民というケースもあります。また、土地を含め施設そのものを譲渡する場合もあります。その際の譲渡の可否や価格も様々で、人気で多くの事業者が名乗りをあげ熾烈なプロポーザルが行われるキャンプ場もあれば、委託の際に気を付けたいことの一つに、「キャンプ場の施設利用ルール」があります。この場合は、委託してもキャンプ場は前と変わらず同一ルールでの運用となり、利用者「お客さん」にとってはほとんど変化が無いため、委託後の利用者の増減に大きな変化はなく、採算性の悪く、利用率の悪いキャンプ場の畝医者が変わっただけということになってしまいます。中には、市や町の条例の中により、キャンプ場の料金やルールなどが定められている場合もあり、その際は必ず条例の見直しや、体制を変化させる前に、条例を含むルールや料金の改定を念頭において進めることを忘れないようにしましょう。「人気の無いキャンプ場には、人気の無い理由があるルールや仕組み」が必ずあります。それらはほとんど昭和・平成の時代に定められたルール・料金体系であり、現代のキャンプニーズにそぐわない場合がほとんどです。

 

委託・譲渡などにより、リニューアル・改修された人気の市営(公営)キャンプ場には、時代や顧客のニーズにあった料金体系や施設利用ルールが設定されているケースが多い。

 

 

~実際の譲渡のケースの紹介~

全国有数の人気キャンプ場となった「ならここの里キャンプ場」

 

 

このページで、事例として挙げている「ならここの里キャンプ場」は、設立されて昭和55年に作られたキャンプ場ですが、市が作り上げ、運用されていたキャンプ場を、民間委託する計画の数年前から弊社によるプロデュースを開始し、コテージを含む施設の新規増改築を現代的なニーズにあわせ、また、条例で定められていて触ることが非常に難しかった料金体系やルールなども譲渡前に現代的な料金体系に沿って変更の試算・シュミレーションを行った上で、条例改正を行いました。それにより業績はV字回復をみせ、数年後に予定されていた譲渡先の選定には数多くの希望する民間会社が集まり、現在では、そのエリアでの最大の人気キャンプ場だけでなく、全国の人気キャンプ場ランキングに入るほどの活況をみせています。重要なことは時代のニーズを念頭に置いた改善手法であり、利用者の顧客満足度に注目し、クチコミによる集客の確保とリピーターを作り上げるなどの、実際にキャンプをする側の立場の視点とマーケティングを意識したルール・料金・施設の改変が重要となります。また、多くの自治体では「民間に委託する前に人気が出るように」と、大規模な予算をかけた修繕や設備追加を行う予定予算を立てるケースがありますが、これについても注意が必要です。なぜならばその場合の「人気が出るように」と計画されたものが時代のニーズに合っていないものも多く、過剰、もしくは不必要な投資により「負の遺産」を受託者に渡すことになりかねません。譲渡や委託を検討する際は専門家と検討した上、数年をかけた計画を練ると良いでしょう。下記に実際に弊社で行った事例がありますので参照ください。

 

参考→ 売上が減少した行政の持つキャンプ場の再生と民間委託の事例「ならここの里キャンプ場」

 

 

 

~委託されているキャンプ場の改善~

現在、行政側から民間業者(第三セクター含む)に委託され運営されているキャンプ場の改善の場合も同様です。ルールや料金などが現代のキャンプニーズに即しているか?に注目し、予約しやすい予約システムを導入する。電話での受付のみという場合もあります。これでは利用者にとっては不便ですし、現場の人員も非効率的です。

また、キャンプ場を運営する事業者は「初めてキャンプ場を運営する」というケースも珍しくありません、その場合、良く提案されるアイデアが、キャンプとはそぐわない設備の導入アイデアです。例えばアスレチックを作るとか、サウナを作る、などです。まったく効果はないとはいえませんが、「キャンプ客のニーズ」を満足させることが第一命題であり、それにより集客が増えることは残念ながらあっても微増です。理由は、キャンプ客には快適で気持ちいいキャンプをしたいというニーズがあり、まずそれを満たすのが最優先事項だからです。つまり、キャンプ客の中の一握りの方(例えばサウナ好き)が喜ぼうと、サウナがあるからテントを買ってキャンプに行こう!とはならないのです。なので全体集客は増えません。それならば既存のトイレや風呂を改善・増設する方が効果はあります。いづれにせよ、最新のキャンプ客のニーズをしっかり把握し、広く、多くのキャンプ場を知る専門家に意見を求めた上で、その地域の競合キャンプ場を念頭に置き、集客できる範囲はどれくらいか?どこまでの稼働率・収益率を目指せばいいか?それらを鑑みた予算の策定など、今後の計画を作っていくのが望ましいと言えます。

 

参考 キャンプ場運営サポート
https://www.makecampsite.jp/works/index.html

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